

2025年はインフルエンザの流行が早くなると予想されております。
当院でも受診されてインフルエンザと診断される方が毎日のようにいらっしゃいます。
インフルエンザ(Influenza) は、インフルエンザウイルス(Influenza virus) によって引き起こされる急性呼吸器感染症です。風邪(普通感冒)と似ていますが、高熱・全身倦怠感・筋肉痛などの全身症状が強いのが特徴です。
原因ウイルス
インフルエンザウイルスは オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae) に属し、日本で流行となるのは以下の2型があります:
| 型 | 主な特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| A型 | 最も流行性が強い。人・鳥・豚など様々な動物に感染。 | 新型インフルエンザの原因となることも。 |
| B型 | 主に人に感染。流行は局所的。 | 抗原変異はA型ほど大きくない。 |
感染経路
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飛沫感染(くしゃみ・咳の飛沫)
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接触感染(ウイルスが付着した手・物から)
潜伏期間は 約1~3日 で、発症直後から感染力が非常に強くなります。
主な症状
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突然の高熱(38〜40℃)
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頭痛・筋肉痛・関節痛・倦怠感
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咽頭痛、咳、鼻水
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小児では嘔吐・下痢、熱性けいれん
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高齢者では肺炎・心不全などの合併症が起こることも
診断
主に以下の方法で診断します:
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迅速抗原検査:鼻咽頭ぬぐい液でウイルス抗原を検出(15分程度で判定)。
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PCR法:ウイルスRNAを検出(高感度・高精度)。
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臨床症状・流行状況の総合判断。
治療
基本は対症療法(安静、水分補給、解熱剤など)ですが、発症から48時間以内であれば抗インフルエンザ薬が有効です。
代表的な薬剤:
| 薬剤名 | 作用機序 | 備考 |
|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | ノイラミニダーゼ阻害 | 経口投与 |
| ザナミビル(リレンザ) | ノイラミニダーゼ阻害 | 吸入薬 |
| ペラミビル(ラピアクタ) | ノイラミニダーゼ阻害 | 点滴静注 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害 | 1回内服で効果持続 |
予防
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インフルエンザワクチンの接種(毎年秋〜冬)
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手洗い・うがい・マスク着用
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十分な睡眠・栄養摂取による免疫維持
ワクチンは発症予防効果50〜60%程度ですが、重症化を防ぐ効果が大きいです。
特に高齢者は他の感染症の引き金となる場合もあります。
他の人に移さないように、ワクチン接種などで感染予防を行いながら、予防接種を受けて感染と重症化を予防しましょう。
当院では、インフルエンザワクチン(自費接種のみ)を積極的に行っており、インターネットから簡単に予約できます。
また、発熱や風邪症状が出たときは早めに病院を受診し、検査と治療を受けるようにしましょう。




