糖尿病|妙典ふじさわ内科・呼吸器内科クリニック|市川市の呼吸器内科

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糖尿病

糖尿病|妙典ふじさわ内科・呼吸器内科クリニック|市川市の呼吸器内科

糖尿病とは

血糖値を測るスタッフと患者の手元

糖尿病(とうにょうびょう)とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です。通常、血糖は体にとっての重要なエネルギー源ですが、過剰に増えると体にさまざまな悪影響を及ぼします。糖尿病は一度発症すると、完治は難しいとされており、一生にわたっての管理とケアが必要になります。放置すると、視力障害、腎不全、足の壊死、心臓病、脳卒中など、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

血糖とインスリンの関係

私たちが食事をすると、炭水化物(ご飯やパンなど)が消化されてブドウ糖として血液中に吸収され、血糖値が上がります。このとき、膵臓(すいぞう)という臓器から「インスリン」というホルモンが分泌され、ブドウ糖を体の細胞に取り込ませて血糖値を下げる働きをします。糖尿病は、このインスリンの働きが不足している、またはうまく機能しないことで、血糖が体内に溜まってしまう病気です。

糖尿病の種類

糖尿病には主に次の4つのタイプがあります。

1.1型糖尿病

  • 自己免疫反応により、インスリンを作る膵臓の細胞(β細胞)が壊されることで起こる
  • 主に子どもや若年層に多いが、大人にも起こり得る
  • インスリン注射が必須

2.2型糖尿病

  • 生活習慣病型の糖尿病で、日本人の約95%がこのタイプ
  • 肥満、運動不足、過食、加齢、遺伝的要因などが原因
  • インスリンの働きが弱くなる(インスリン抵抗性)か、分泌が不十分になる
  • 初期は無症状だが、放置すると合併症を招く

3.妊娠糖尿病

  • 妊娠中に発症する一時的な糖尿病
  • 妊娠高血圧症候群や胎児への影響(巨大児、低血糖など)があるため注意が必要

4.その他の特定の糖尿病

  • 薬剤、膵臓の病気、内分泌疾患、遺伝子異常などが原因

糖尿病の診断基準

以下のいずれかに該当すると「糖尿病型」と診断されます(空腹時採血が基本)。

検査項目 基準値
空腹時血糖値 126mg/dL 以上
随時血糖値 200mg/dL 以上
75gOGTT(2時間値) 200mg/dL 以上
HbA1c(ヘモグロビンA1c) 6.5%以上

※2回の検査で同じ結果が確認されることで、確定診断されます。

糖尿病の初期症状

糖尿病の初期段階では、ほとんど症状がありません。そのため、自覚症状が出たときにはかなり進行しているケースも多くあります。

よく見られる症状

  • のどが渇く、水をよく飲む
  • 頻尿、特に夜間
  • 疲れやすい、体重減少
  • 目のかすみ、視力の低下
  • 傷が治りにくい
  • 手足のしびれや違和感

糖尿病の合併症

糖尿病の怖さは、**血糖が高い状態が長期間続くことによって起こる「合併症」**にあります。特に細い血管や神経がダメージを受けやすく、全身にさまざまな障害が現れます。

三大合併症

合併症名 内容
糖尿病網膜症 失明の原因にも。網膜の血管が障害され視力低下。
糖尿病腎症 最悪の場合、人工透析が必要に。腎機能の低下。
糖尿病神経障害 手足のしびれ、感覚異常、排尿・排便障害などが起きる。

その他の合併症

  • 動脈硬化 → 心筋梗塞、脳梗塞のリスク上昇
  • 感染症にかかりやすくなる
  • 歯周病の進行
  • 足の壊疽(えそ)や切断のリスク

治療と管理方法

糖尿病は完治する病気ではありませんが、適切な管理を行えば健康な人と変わらない生活を送ることが可能です。

1.食事療法(最も重要)

  • カロリーコントロール:年齢、性別、活動量に応じた摂取量を守る
  • バランスのよい食事:炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよく
  • 野菜や食物繊維をしっかり摂取
  • 間食・夜食は控える
  • アルコールの適量を守る

2.運動療法

  • 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を週に3回以上、1回30分程度
  • インスリンの働きを改善し、血糖を下げる効果がある
  • 継続が大切。急な無理な運動は避ける

3.薬物療法

食事と運動だけで改善が難しい場合、医師の判断で薬物治療が行われます。

経口血糖降下薬(内服薬)

薬の種類 主な作用
ビグアナイド系 インスリン抵抗性を改善(例:メトホルミン)
スルホニル尿素薬 インスリンの分泌を促進
DPP-4阻害薬 インクレチンを活性化してインスリン分泌を促進
SGLT2阻害薬 尿から糖を排出させる(体重減少効果あり)

インスリン療法(注射)

  • 1型糖尿病では必須
  • 2型でも重症化すれば必要
  • 持効型、速効型、混合型などを症状に応じて使い分ける

予防のために大切なこと

糖尿病は、生活習慣の改善で予防可能な病気です。特に2型糖尿病は、以下の点を守ることで発症リスクを大きく下げられます。

予防ポイント

  • 食べ過ぎを避け、栄養バランスの取れた食事を
  • 毎日少しでも体を動かす
  • 適正体重を維持する(BMI25未満が理想)
  • 禁煙・節酒
  • ストレス管理
  • 毎年の健康診断を欠かさない

糖尿病と正しく向き合う

糖尿病は「一生つきあう病気」ですが、悲観する必要はありません。血糖をしっかり管理し、生活習慣を見直すことで、合併症を予防し、健康な生活を送ることができます。近年では、血糖値を測る機器や薬も進歩しており、患者様のQOL(生活の質)も大きく向上しています。医師や管理栄養士など、専門家と連携しながら、自分に合った管理方法を見つけていくことが大切です。

まとめ

糖尿病は放置すると重篤な合併症を招く恐ろしい病気ですが、早期発見・早期治療により、その進行を食い止めることができます。日々の生活習慣を見直し、定期的な検診を受け、自分の健康と向き合う姿勢を持つことが何より大切です。

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